下腹部のしこり

下腹部のしこり

一般的に正常な体の女性の子宮は鶏卵くらいの大きさです。お腹の上から触ってわかるものではありません。しかし子宮筋腫ができていて子宮全体が大きくなってしまうと、仰向けになって下腹部を触ると固いしこりがわかるようになります。

 

自分でしこりが触れるようならば、その時点で子宮筋腫は握りこぶし大あるいは赤ちゃんの頭くらいにまで成長していると考えられます。特に漿膜下子宮筋腫は子宮の表層がこぶのように盛り上がることや子宮本体から離れた外側で育っていくタイプなのでしこりがわかりやすいです。

 

自分でしこりを確認したならば、他にも子宮筋腫の症状がなんらか現れていると考えられます。早急に病院へ行き検査をしてもらい、経過観察するのか、治療を行うのか判断しなければいけません。

 

しかし、おなかのしこりに自分で気がつく人はなかなかいないようです。たまたま他の病気の診察中に偶然見つかるケースが多いようです。

 

お腹にしこりがあると子宮筋腫以外にも多くの病気が考えられます。上腹部にしこりがある場合は、胃がんや膵がんや肝がんの疑いがあります。右上腹部にしこりがある場合は、肝臓や胆嚢や結腸や腎臓になんらかの症状がある可能性があります。

 

左上腹部にしこりがある場合は、脾臓にはれものがあるか、腎臓のこぶか、腎臓のがんなどが考えられます。中央部にしこりがある場合は、大動脈の動脈瘤である可能性があります。

 

下腹部にしこりがある場合は、大腸がんや子宮筋腫、子宮がん、卵巣のう腫などの可能性があります。右下腹部にしこりがある場合は、回盲部がんや直腸がん、S 状結腸がんなどの可能性があります。

 

どこにしこりがあるのかをよく確認して、専門医を受診してください。怖がることなく原因をはっきりとさせてすばやく治療を開始することが大切です。

 

下腹部のしこり

検査方法

子宮筋腫を検査する方法はいくつかあります。まずは婦人科を受診して問診や内診をします。

 

次に超音波検査をします。これでもわからなければ詳しい検査をして子宮筋腫の症状を調べていきます。治療が必要だと判断されればCT 検査やMRI 検査や腹腔鏡検査などをして今後の治療方針を決めていくのが一連の流れです。

 

問診では、初経の年齢や月経の周期などの月経状態やしこりや貧血や過多月経などの自覚症状、妊娠や出産の経験の有無、中絶の有無、既往症、家族の病歴、薬の服用歴、アレルギーなどについて聞かれます。

 

ほとんどの病院で、診察の前に患者に問診票を記入してもらいそれを見ながら問診を行っていきます。内診では、膣の中に膣鏡を挿入して出血があるかどうか中の様子を確認します。

 

医師が触診で子宮や卵巣の状態、筋腫の有無や大きさを調べます。内診を受けたくないと考える女性も多いのですが、病気を早期発見するためにも大切なことです。

 

超音波検査では、超音波をあてて画像で子宮や卵巣の状態を確認します。筋腫の大きさや数、位置などをある程度特定することができます。膣の中に超音波発信機を入れる膣式とお腹の上から超音波発信機をあてる腹式の二通りの方法があります。

 

血液検査では、血液中のヘモグロビンや赤血球の数値を見て、子宮筋腫が原因となっている貧血がないか調べます。治療方針を決めるためのMRI 検査とCT 検査では、体内の様子を詳細な断層画像として見ることができます。

 

超音波検査よりもさらに詳しい画像を見ることができます。そして腹腔鏡検査をして子宮筋腫の確定診断をします。

 

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貧血

子宮筋腫のサイズが大きくなってくると、経血量が増えたなどの自覚症状があってもなくても貧血症状が現れてくることがあります。この場合の貧血は、めまいや立ちくらみなどが起こるのではなく、血液検査をして血色素量を測ることでわかるもののことを意味しています。

 

子宮筋腫がある場合、経血量が増えることで鉄分不足になりそのために血色素量が減少して貧血になります。鉄分不足による貧血欠乏性貧血と呼んでいます。

 

通常、血色素量は12.0g/dl 以上あるのが正常な値です。女性であることを加味しても11.5g/dl 以上はあるのが正常です。血色素量が減少することで赤血球数も減少してしまい、血液内における酸素の運搬に支障をきたしてしまいます。

 

そのため体が疲れやすくなったり、息切れしやすくなったりするなどの症状が現れるようになります。ひどい場合には、動悸があったり、動くだけで辛くなったりして最悪の場合命の危険もあります。

 

自覚症状があまりない場合でも、体内の酸素不足に心臓は敏感に反応します。

 

そのため血液中の拍出を増やそうとして心臓に負担をかけてしまうことになります。

 

症状がなくても貧血を軽く考えてしまうと取り返しがつかなくなってしまうので注意しなければいけません。血色素量が10.0g/dl 以下の場合、手術治療を考えた方がいいと思います。

 

たとえ鉄剤を内服したり輸血したりして治療をし、一時的に貧血症状が良くなったとしてもすぐにまた貧血になってしまうのであれば手術による治療を考えた方がいいと思います。

 

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治療方法その1

子宮筋腫が発見されたとしても、一般的に症状がなければ特に治療は行いません。一般的には筋腫の状況によって子宮筋腫の治療方法を考えます。症状がなくて筋腫が小さい場合、経過観察をして様子を見ます。

 

子宮筋腫自体が良性の筋腫であるため、症状がなくて日常生活に支障がなければそのまま様子を見ていくのです。特に年齢が若い人でまだこれから妊娠する可能性がある人、逆に更年期に近い人、妊娠中に筋腫がみつかった人などは定期的に診察をしながら様子を見ていきます。

 

症状が強い場合や筋腫が大きい場合、薬物治療や手術治療を行います。薬物治療に関しても、手術治療に関しても様々な方法があるため、個人の筋腫の状況などを見た上で医師と相談して決めていく必要があります。

 

経過観察をしている間に、筋腫の大きさや症状などに変化が現れた場合には治療方法を積極的に検討しなければいけません。経過観察中の定期検診は6ヶ月に1 度くらいのペースで行います。

 

しかし筋腫が成長しかけているときなどは、3 ヶ月に1 度くらいのペースで様子を見ることもあります。

 

反対に筋腫の大きさがほとんど変わっていない人の場合は、1 年に1 度くらいのペースになることもあります。いずれの場合も、専門医の指示に従ってきちんと検診を受けるようにしてください。ただし体に異変を感じたら、検診日を待たずにすぐに検診を受けるようにしてください。

 

子宮筋腫では、経過観察、薬物治療、手術治療など様々な治療方法の選択肢があります。これらの中から自分に合ったものを選ぶことが重要です。正確な情報を医師からきちんと聞いて、最終的には自分で判断しなければいけません。

 

一般的な判断としては、基本は経過観察をする。今後妊娠したいのであれば、核出術を検討してみる。貧血症状が進行するのであれば、手術を検討する。

 

子宮を残すのかどうか、自分の年齢と今後のことを考えてみる。子宮筋腫以外の可能性もきちんと考えることが大切です。

 

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治療方法その2

2 つ目の治療の選択肢として薬物治療があります。子宮筋腫で薬物治療を行う場合、鉄剤や鎮痛剤などを服用することで症状を軽くしていく対症療法。

 

ホルモン剤を使って体を一時的に閉経状態にすることで筋腫を成長させる要因となるエストロゲンの分泌量を減らして筋腫を小さくしていく偽閉経療法などがあります。

 

対症療法に関しては、子宮筋腫を小さくするなど筋腫への効果はありません。

 

しかし子宮筋腫による不快症状を軽減させることができます。偽閉経療法に関しては、筋腫を一時的に小さくすることができます。

 

しかし副作用としてほてりやめまい、多汗など更年期障害に似た症状が現れる可能性があります。どちらも子宮筋腫の根治治療ではありません。薬物治療では、子宮筋腫の症状をコントロールすることでうまく共生していこうとしています。

 

3 つ目の治療の選択肢として手術治療があります。薬物治療を行っても子宮筋腫による症状を抑えることができない場合や、子宮筋腫を根本的に治したいと言う人の場合は手術による治療を行います。子宮筋腫の手術方法は、子宮を全部摘出する子宮全摘術、筋腫だけを摘出して卵巣など他の器官は残すという子宮筋腫核出術があります。

 

子宮全摘術をすれば筋腫の症状は完治させることができて、かつ再発のリスクもありません。しかし妊娠・出産はできなくなります。

 

子宮筋腫核出術をすれば高い確率で筋腫の症状を治すことができて、妊娠・出産も可能になります。しかし再発の可能性があります。

 

このように手術にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、筋腫の症状、自分のライフプランなどを考えて決める必要があります。

 

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